2006 Fiscal Year Annual Research Report
高靭性・高耐熱性カーボンナノチューブ/セラミックス複合ナノコーティングの開発
Project/Area Number |
16760645
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鄭 国斌 長崎大学, 工学部, 助教授 (40346929)
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Keywords | 炭化ケイ素 / CVD / カーボンナノチューブ / C / C / 複合材料 / 耐酸化性 / コーティング |
Research Abstract |
FESEM観察により、CNT-SiCコーティングはCNT-SiC層とSiCのみの層からなる2層構造を有していることが明らかになった。コーティングの亀裂は表面のSiCのみの層からCNT-SiC層まで進展した。CNT-SiC層とC/Cの境界およびSiC層の境界が明瞭ではないことから、層間の結合が強いと示唆している。CNT-SiCコーティングはSiCのみのコーティングに比べ、耐酸化性が著しく改善されたが、完全な耐酸化性が達成できていなかった。そのため、CNTの表面にメタンを炭素源として1150℃で5分間、10分間、15分間熱分解炭素(PyC)を蒸着させ、さらにSiCを蒸着することによりCNT-PyC-SiCコーティングを作製した。熱分解炭素の蒸着量の増加と伴い、酸化による質量減少が低下し、CNT-PyC-SiCコーティングの耐酸化性がさらに向上した。PyCの添加により、SiC中の応力がさらに緩和され、コーティング中の亀裂の数が大幅に低下するためと考えられる。 C/C表面に直接CNTを成長させる方法は,均一にCNTを成長するのが難しいこと,CNTの構造と形態の制御が難しいことや残留触媒が多いことなどの欠点がある。そのため,別途合成したCNTの分散液をC/C表面に塗布し,さらにCVDでSiC蒸着してCNT-SiCやホウ素を添加したCNT-B-SiCの作製方法および微細構造および耐酸化特性を研究した。コーティングはCNT-B-SiC層とSiC層2相に分けることが明らかになた。SiCの蒸着の際にまずCNT-Bの隙間に蒸着し,CNT-B-SiCを形成して,さらにSiCの蒸着によって表面上さらにSiCコーティングを形成した。Bの添加により、耐酸化性が大幅に向上した。特に、CNT:Bが1:8以上なると、CNT-B-SiCコーティングは完全な耐酸化性が達成した。これはSiCやBの酸化により生成したホウ珪酸ガラスがコーティング中の微小亀裂を塞いだためと考えられる。 以上の結果より、C/Cと強く結合した高耐熱性、優れる耐酸化性のコーティングの開発に成功したと言える。
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Research Products
(1 results)