Research Abstract |
本年度は,まず,現有の穿孔試験システムに設置可能な気膜アブレシブジェットノズルヘッドを設計・開発した.製作したノズルヘッドを用い,様々な吐出圧力,環境圧力の条件において,ウォータージェットのみ,およびガスを吹き込んだ気膜ウォータージェットの瞬間写真撮影を行った.また,高吐出圧力,低キャビテーション係数の条件において,気膜アブレシブジェットにより,鋼管試料に対して穿孔試験を行い,十分な穿孔能力を有していることを確認し,キャビテーションが発生しない条件を含む様々な吐出圧力,環境圧力の条件において,気膜アブレシブジェットにより,鋼管試料に対して切削試験を行った.本年度に得られた主な研究成果は以下の通りである. 1.アブレシブタンクおよびガスボンベを付帯し,高圧水の圧力により作動するガス噴射機構およびウォータージェットのアスピレータ作用によるアブレシブ供給機構を備えた気膜アブレシブジェットノズルヘッドを設計・開発した.また,高圧水環境下においてそれぞれの機構が動作することを瞬間写真撮影と穿孔試験により確認した. 2.ウォータージェットの噴射のみ,およびガスを吹き込んだ気膜ウォータージェットの瞬間写真撮影より,ガス吹込みありの場合は,ガス吹込みなしの場合に比べて,アブレシブノズルから噴射される気泡雲の長さが著しく長くなることを明らかにした. 3.アブレシブジェットおよび気膜アブレシブジェットによる鋼管試料の切削試験より,キャビテーション係数0.15の条件下において,ガスを吹込みことによりガスを吹き込まない場合に比較して,約2倍の切削性能が得られることを明らかにした.また,ガス吹込むことによりアブレシブ流量が減少することを明らかにした. 平成17年度は,気膜アブレシブジェットの瞬間写真撮影および穿孔試験を行い,得られた結果から,より穿孔性能の高い気膜アブレシブジェットノズルヘッドを提案する。
|