2004 Fiscal Year Annual Research Report
高密度プラズマに適応可能な重イオンビームプローブ計測法の開発
Project/Area Number |
16760674
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
井戸 毅 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (50332185)
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Keywords | 重イオンビームプローブ / HIBP / MCP / 重イオン検出器 / プラズマ計測 |
Research Abstract |
プラズマ計測法のひとつである重イオンビームプローブ(HIBP)を大型ヘリカル装置(LHD)のような高密度の大型プラズマ閉じ込め装置に適用するための技術開発を行った。課題のひとつは、大型装置で問題となるプローブビームの激しい減衰を補うための高増倍率の検出器を開発することである。これに関しては、高増倍率と多チャンネル化を同時に達成するために、マイクロチャンネルプレート(MCP)を用いて検出器を設計・作成した。MCPはこれまでにもイオン検出に用いられてきたが、本実験では検出ビームがMeVオーダーのエネルギーを持つ金(Au)イオンであるためその応答性が危惧されたが、本研究でこのエネルギー領域でもMCPが使用可能であることが分かった。この検出器を実際にLHD用HIBPに導入した結果、これまで検出できなかったビームを観測することが出来た。これによってHIBPの適用範囲が大きく広がった。来年度は、高エネルギー重イオンのスパッターによる損傷に伴う長期的な性能劣化について試験を行う予定である。 もうひとつの重要な課題はビームラインの健全化のための技術開発である。ビームを制御するためにビームラインに多数の電極を入れているが、プラズマからの放射光によりその電極表面から光電子が発生し、これにより電極間で絶縁破壊が起こる。これを抑えるための設計検討を行った。発生した電子を抑える方法として、電極表面のメッシュにバイアスをかける方法と、電極内部に磁石を埋め込む方法を考案した。現在具体的な設計を行っている。来年度に模擬試験を行い、その性能を調べる予定である。
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