2004 Fiscal Year Annual Research Report
熱歪・曲げ歪を重畳印加した超伝導導体模擬サンプルによる臨界電流の歪特性評価
Project/Area Number |
16760678
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
木津 要 特殊法人日本原子力研究所, 炉心プラズマ研究部, 研究員 (50354650)
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Keywords | 超伝導導体 / ケーブル・イン・コンジット型 / 熱歪 / 曲げ歪 / 臨海電流 / ニオブスズ |
Research Abstract |
核融合分野・電力貯蔵分野等の大型超伝導マグネットでは、超伝導素線を数百本撚り合わせたケーブルを、金属製の鞘(コンジット)に納めたケーブル・イン・コンジット(CIC)型の超伝導導体を使用している。ニオブスズやニオブアルミは機械的な歪により臨界電流(lc)が減少するため、冷却によるコンジットとケーブルとの熱収縮差に起因する熱歪、導体の曲げによる曲げ歪の影響が問題となる。しかしながら、ケーブルが撚り線であるために歪が緩和される効果もあり、かっこの効果が未知のために、Icと熱歪・曲げ歪の相関を詳細に考察することは困難である。そこで、撚り線の歪緩和効果がないCIC型導体を模擬したサンプルを製作することでIcと歪との相関を明らかにする手法を検討した。 まず、サンプル導体に関する検討を行った。CIC導体内の素線は熱歪と曲げ歪を重畳印加されており、かつ素線一本一本に着目すると素線内歪はほぼ一様になっている。このような歪は単に1本の素線を曲げた場合では素線内に歪分布が出来てしまうので実現することが不可能である。本研究では、金属棒に素線を埋め込んだ構造を持っ導体であれば、撚り線の緩和効果をなくすることができるという着想にいたった。そこで、無酸素銅中空ビレットの中にニオブスズ単芯線を挿入し、押出し縮径することで、外径6.7mmの銅の中に21565本のニオブスズフィラメントを配置した構造のCIC模擬導体を製作した。次に、サンプル形状の検討を行った。曲げ歪とIcの相関を明らかにするために、実験装置外部から連続的に曲げ歪を加えながら、Icを測定することにした。そのため、CIC型模擬導体をねじりコイルばね状に巻き線を行ったサンプルを製作し、サンプル自体にねじりを加えることで曲げ歪を印加する手法とすることにした。次年度、製作した導体を用いて導体模擬サンプルを製作しIcと歪との相関を明らかにする。
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