2004 Fiscal Year Annual Research Report
新古典テアリングモードの発生機構と安定化に関する研究
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16760680
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
諫山 明彦 特殊法人日本原子力研究所, 炉心プラズマ研究部, 研究員 (90354597)
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Keywords | 新古典テアリングモード / 電磁流体力学的不安定性 / MHD / 電子サイクロトロン波 / 電流駆動 / トカマク / プラズマ / 核融合 |
Research Abstract |
新古典テアリングモード(NTM)は自発電流に起因して発生する不安定性であり,べ一タ値(・cプラズマ圧力/(磁場)2)の高いプラズマにおいて発生する。NTMが発生するとプラズマ性能が劣化することから,その特性を解明することが重要課題となっている。本研究では,NTMが発生および消滅するときのメカニズムを明らかにするとともに,安定化の手法を確立することを目的としている。電子サイクロトuン電流駆動(ECCD)によりNTMが安定化される過程の電子温度揺動分布の解析を行った結果,磁気島内部の電子温度が局所的に上昇したと仮定することにより,1)場所により揺動の減衰時間が異なる,すなわち揺動分布に非対称性が現れる,2)非対称性が現れる時間スケール(数10ms)が磁気島形状が変化する時間スケール(数100ms)より十分短い,という実験結果を説明できることを明らかにした。また,ECCDにより高ベータ領域におけるNTMの安定化を行い,高規格化べ一タ値(βN-3)のプラズマでも,局所的なECCD密度が自発電流密度程度であれば安定化できることを実験的に明らかにした。さらに,NTM発生直前または直後にECCDを行い,1)NTMが発生する前にECCDを行うとNTMが成長した後にECCDを行う場合よりも少ない駆動電流で安定化できる,2)最適なECCD位置から磁気島幅の半分程度以内のずれのときにのみ安定化効果が現れる,3)基本波0モードECCDと第2高調波ECCDでは安定化効果に対して同様の依存性を示すことを明らかにした。さらに,NTM発生直前にECCDに行った場合とNTM発生直後にECCDを行った場合の電子温度揺動分布を比較した結果,前者の方が上記非対称性が強く現れることを明らかにした。このことはNTM発生直前にECCDに行うとより効果的にNTMを抑制できるという実験結果と関連がある可能性がある。
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