2005 Fiscal Year Annual Research Report
高時間分解能損失イオンプローブによる高速イオン挙動のトロイダルプラズマ間比較研究
Project/Area Number |
16760681
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
篠原 孝司 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (50354600)
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Keywords | トロイダルプラズマ / ヘリカル系 / 磁気液体(MHD)不安定性 / 損失イオンプローブ / 高速カメラ / アメリカ |
Research Abstract |
トロイダルプラズマ中での高速イオンの軌道・分布変化の基礎過程や輸送過程についての物理的な知見を得ることを目的として、高速カメラを用いた損失イオンプローブによりトロイダルプラズマに閉じ込められた高速イオンが磁気流体(MHD)不安定性によってどのように損失するかを調査している。 核融合科学研究所のコンパクトヘリカルプラズマ装置CHSで発生するCHSバーストと呼ばれるMHD不安定性による高速イオンの輸送特性の研究を行った。平成16年度問題となった光学系での損失は新しい光学系の製作、および、設置で解決し、4月に実験を行うことができた。実験では0.07ミリ秒の時間分解能でデータを取得することができた。実験の結果、CHSバーストが起きているわずか0.2ミリ秒の間だけ、不安定性が発生していないときには損失してこなかった軌道のイオンが損失してくることがわかった。これは高速カメラにより初めて明らかになった物理現象であり、現在、論文としてまとめている。 また、7月には米国プリンストンプラズマ物理学研究所のNSTX球状トカマクプラズマ装置への設置、調整、較正実験、初期実験を行うことができた。こちらの装置では光学系の調整により時間分解能を0.025ミリ秒にすることができた。この装置でもアルベン固有周波数帯のMHD不安定性による高エネルギーイオンの損失を観測し、初期結果はプリンストンプラズマ物理学研究所の協力研究者によりアメリカ物理学会で報告された。
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