2004 Fiscal Year Annual Research Report
シンチレーション検出器中での高エネルギー放射線の輸送及び発機構に関する研究
Project/Area Number |
16760692
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
佐藤 大樹 特殊法人日本原子力研究所, 保健物理部・外部被ばく防護研究室, 研究員 (00370403)
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Keywords | モンテカルロシミュレーション / シンチレーション検出器 / 応答関数 / 検出効率 / 発光機構 / 高エネルギー放射線 / 放射線防護 / 粒子輸送 |
Research Abstract |
高エネルギー放射線計測に用いられているシンチレーション検出器に対して,応答関数を計算により評価するためには,検出器内での放射線の輸送及び発光機構に対する精度の良いモデルを構築する必要がある。 そこで本年度は,モデルの開発に必要な実験データを取得するために,放射線医学総合研究所(放医研)重粒子線がん治療装置HIMAC物理汎用ビームコースにおいて,シンチレーション検出器への中性子照射実験を行った。検出器には,放射線測定実験で一般的に用いられるBC501A液体有機シンチレーション検出器を用いた。核子当たり800MeVのSiイオン及び400MeVのCイオンを厚い炭素ターゲットに入射し,核破砕反応を利用して高エネルギー中性子を生成させ,飛行時間法により決定した運動エネルギーを有する中性子入射に対する応答関数を得た。 シンチレーション検出器中の放射線輸送及び発光を評価するための3次元粒子輸送モンテカルロシミュレーションコードを開発した。高エネルギー核反応計算には,量子分子動力学模;型を採用し,核反応により生成された各粒子に対しエネルギー損失を求め,それを光出力に換算することにより応答関数を得た。シミュレーション計算の結果と実験値を比較したところ良好な一致を示した。次年度は計算精度の更なる改善を図るたあ,各種荷電粒子に対するエネルギー依存発光特性を解明する。そのためHIMACにて単色の荷電粒子照射におけるシンチレーション検出器の応答関数測定を行う。この実験計画は既に放医研により受理されている。
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