2004 Fiscal Year Annual Research Report
アクチニド原子核に対する核反応モデル計算の予測精度の研究
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16760695
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
岩本 修 特殊法人日本原子力研究所, エネルギーシステム研究部, 研究員 (80370360)
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Keywords | アクチニド原子核 / 核反応データ / モデル計算 / チャンネル結合法 / 歪曲波ボルン近似 / 励起子モデル / Hauser-Feshbachモデル / 計算コード開発 |
Research Abstract |
アクチニド原子核の核反応断面積モデル計算を行うための、基本的な部分のプログラムの開発を行った。核変換技術による放射性廃棄物処理等の応用に必要な核反応データを精度よく計算するためには、いくつかの核反応モデルを組み合わせる必要がある。反応の最初の段階である直接過程の部分として、チャンネル結合法を用いた光学モデル計算を行うコード(CCOM)及び歪曲波ボルン近似による計算コード(CCDM)の2つの計算コードを開発した。アクチニド原子核は変形しており、それに伴う回転バンド内の状態間の強い結合の影響を考慮するため、チャンネル結合法を用いた。しかし、結合するチャンネル数の増加に伴い計算時間が莫大に増加するため、比較的弱い集団振動状態への直接励起は、計算時間が少ない歪曲波ボルン近似を用いることとした。次の反応段階の前平衡過程には計算時間が少なく実験データをよく再現する励起子モデルを使用した計算コード(CCPM)を開発した。反応の最終段階としてHauser-Feshbach統計崩壊モデルを用いた計算コード(CCSM)を開発した。このコードでは原子核のスピン及びパリティの保存を考慮しており、異性体の生成を計算することができる。また、低エネルギーで重要な崩壊幅の変動補正及び、高エネルギーで重要な多段階の計算を行うことができる。CCSMは上のCCOM,CCDM,CCSMの3つのコードの計算結果を利用し最終的な反応断面積を出力する。 これらの計算コード開発にはオブジェクト指向プログラム技術を用いC_<++>プログラミング言語を使用した。核反応モデル計算の予測精度の研究を行うため、モデルの追加や変更の容易さに気をつけてある。
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