2005 Fiscal Year Annual Research Report
アンモニア・水混合媒体を使用した発電・冷凍サイクルに関する研究
Project/Area Number |
16760699
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竹下 恵介 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (50367116)
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Keywords | エネルギーシステム / 環境調和 / 冷凍・空調 / エネルギー利用 |
Research Abstract |
低沸点媒体であるアンモニア・水混合媒体を作動流体とする熱源システムの研究を行っている.低沸点媒体は,低温度水準の熱エネルギーからの熱回収に優れることが知られている.現在,工場排熱等の形態で低温度水準の熱エネルギーは大量に環境に放出されており,このような熱源システムは省エネルギーに大きく資すると考えられる. 本研究が対象としているのはアンモニア吸収式冷凍機,アンモニア・水混合媒体タービンシステムと,両者を配管で接続し作動流体を共有化するハイブリッドシステムである. 研究成果を次に挙げる. (1)吸収・凝縮器の特性調査 アンモニア・水混合媒体を作動流体とするサイクルでは,その性能に吸収・凝縮器の特性が大きく影響を与える.本年度は,縦型流下液膜式熱交換器のモデル化を試みた.モデルによる調査の結果,縦型流下液膜式の場合,伝熱管本数を多くし,できるだけ液膜厚さを小さくすることで高性能な吸収・凝縮器を設計できることがわかった.また,安定して液膜を形成する最小流量の大きさも明らかにした. (3)ハイブリッドシステムの実証実験 昨年度まで,算定によりハイブリッドシステムの性能を調査してきた,本年度は,完成した実験設備を用い,ハイブリッドシステムの実証実験を行った.ハイブリッドシステムの構成としては,タービンシステム側の低圧凝縮器から濃溶液を冷凍機へ供給する構成1と,高圧凝縮器から供給する構成2を考案し,実験により構成2の性能を確認した.実験の結果,構成2ではタービン効率等の制約によりタービンシステム側の熱効率が低下し,タービン出力は向上しなかったが,冷凍機側のCOPの約20%の上昇を確認した.構成1ではタービンシステム側の熱効率の低下はないと考えられるので,このCOP向上はシステム全体で約20%の動力出力増加につながると予想される.
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Research Products
(4 results)