2004 Fiscal Year Annual Research Report
LINE逆転写酵素の逆転写反応開始機構に関する研究
Project/Area Number |
16770001
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梶川 正樹 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (90361766)
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Keywords | 転移因子 / 逆転写酵素 / テロメア / テロメレース / レトロトランスポゾン / レトロポゾン |
Research Abstract |
申請者は真核生物のゲノム中に存在する転移因子であるLINEの増幅機構を解明することを目的として研究を行っている。この転移因子LINEは自身の転移・増幅に必要な逆転写酵素を自身の内部にコードしている。この逆転写酵素は真核生物の染色体末端の短い反復配列(テロメア)の複製に必須の逆転写酵素テロメレースとアミノ酸配列上で相同性があり進化上の関係が注目されている。また、申請者のこれまでの研究により、アミノ酸配列上のみならずその逆転写反応の様式にも類似性(逆転写反応時の"鋳型RNAのずれ")のあることが示されている。申請者はこの二つの逆転写酵素、LINE逆転写酵素とテロメレースに共通する"鋳型RNAのずれ"機構を詳細に解析することを目的とし、本年度において、LINE逆転写酵素の大量発現系の構築を行った。様々なタンパク質大量発現系を用いてLINE逆転写酵素の大量発現が可能な発現系の探索を行った。その結果、小麦胚芽抽出液を用いたセルフリータンパク質発現系がLINEタンパク質の発現に有効な系であることが示された。この小麦胚芽抽出液タンパク質発現系を用いてLINEタンパク質を合成し、この大量発現させたLINEタンパク質にLINEの転移に必須の活性(逆転写酵素活性とエンドヌクレアーゼ活性)が保持させていることを確認した。また、この逆転写酵素がLINE RNAを特異的に認識して逆転写反応を開始する活性を持つことを示すことができた。来年度は、このLINEタンパク質を用いてLINE逆転写反応時の"鋳型RNAのずれ"機構を試験管内で再構築しその反応機構の解析を行う予定である。
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