2004 Fiscal Year Annual Research Report
テロメア末端とDNA切断末端で機能する蛋白質の新しい手法による同定
Project/Area Number |
16770002
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
上野 勝 静岡大学, 理学部, 助手 (90293597)
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Keywords | テロメア / 分裂酵母 / Dna2 |
Research Abstract |
染色体が安定に維持されるためには、染色体末端(テロメア)と染色体中に生じたDNA切断末端が適切に区別され、DNA切断末端だけが選択的に修復される必要がある。最近テロメア末端とDNA切断末端の両方で機能する蛋白質が複数見つかっているが、これら2種類のDNA末端がどのように識別され、処理されているのかはわかっていない。テロメア末端維持とDNA切断末端修復の第一段階は、ともにDNA末端の部分分解である。これまでNbs1複合体がテロメア末端とDNA切断末端を分解していると考えられていたが、実際にこれらのDNA末端を直接分解しているのは別のヌクレアーゼであることが、申請者の研究で明らかになった。しかしどのようなDNA分解酵素(ヌクレアーゼ)がテロメア末端やDNA切断末端の部分分解に関与しているのかはわかっていない。そこで、どのようなヌクレアーゼがテロメア末端やDNA切断末端の部分分解に関与するのかを独自の方法で網羅的に解析することによって、テロメア末端やDNA切断末端の部分分解に関与するヌクレアーゼを同定することを試みた。 当研究室では、テロメア結合蛋白質であるTaz1遺伝子を破壊すると、テロメア末端の一本鎖突出を容易に検出できることを明らかにしている。そこで、様々なヌクレアーゼ破壊株のTaz1遺伝子を破壊した。次にこれらの2重変異株から染色体DNAを回収し、それを電気泳動によって分離し、32Pでラベル化した一本鎖プローブを用いて、テロメア末端の一本鎖突出を、検出した。その結果、Dna2とTaz1の2重変異株のテロメア一本鎖がほとんど検出できないことを明らかにした。しかもDna2変異株はS期のテロメア末端一本鎖突出の形成にも異常が見られた。また、Dna2はテロメアに結合することをChIPアッセイによって明らかにした。これらのことから、Dna2はテロメアDNAの一本鎖突出の形成において重要な役割を果たしていることがわかった。
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Research Products
(1 results)