2004 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ近縁種間における行動上の生殖的隔離機構に関与する遺伝子の解明
Project/Area Number |
16770007
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
高橋 文 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 助手 (90370121)
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Keywords | 生殖隔離 / 交尾行動 / ショウジョウバエ / QTL / 遺伝子マッピング / 種分化 / RNAi / 近縁種 |
Research Abstract |
キイロショウジョウバエとその近縁種オナジショウジョウバエ間の交尾前生殖的隔離機に関わる遺伝子がゲノム中どのくらいどこにあるのか検討をつけ、そのうち少なくとも一つをクローニングするという目的のため、メジャーな遺伝子がゲノム中のどのくらいどこにあるのか、多数の組み換え体を用いたQTLマッピングにより、明らかにすることが3年計画の研究初年度(平成16年度)の計画である。それに基づく本年度の研究成果は、以下のようなものであった。 まず、任意に選んだ複数の系統間で交配実験のスクリーニングを行った結果、オナジショウジョウバエの雌に対して雄の交尾率が大きく異なる2つのキイロショウジョウバエ系統を発見した。また、染色体レベルでのマッピングの結果これら系統間の違いの大部分は第3染色体上の違いによることが明らかとなった。次に第3染色体上に12個の分子マーカーを作成し、これらの2系統の第3染色体がモザイクになっている多数の個体を用いてマッピングを進めた。その結果、恐らく第3染色体上にも交尾率に関与する複数の要素があることがわかった。次年度以後もさらに詳細なマッピングを進めていく予定である。 また、これらの実験を進めていく中でこれら同種の2系統間で種内交配を行った結果、雄が交尾相手を選択する際に系統間で好みの違いがあることがわかった。このような選好性のメカニズムを探るため、雌のクチクラの炭化水素を塗り替える実験を行ったところ一方の系統の雄の交配速度に違いが生じたため、この選好性には雌のクチクラ炭化水素成分の違いが関係している可能性が示唆され、今後の展開が興味深い。
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