2005 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ近縁種間における行動上の生殖的隔離機構に関与する遺伝子の解明
Project/Area Number |
16770007
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
高橋 文 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 助手 (90370121)
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Keywords | 生殖隔離 / 交尾行動 / ショウジョウバエ / QTL / 遺伝子マッピング / 種分化 / RNAi / 近縁種 |
Research Abstract |
キイロショウジョウバエとその近縁種オナジショウジョウバエ間の交尾前生殖的隔離機に関わる遺伝子がゲノム中どのくらいどこにあるのか検討をつけ、そのうち少なくとも一つをクローニングするという目的のため、平成16年度行った多数の組み換え体を用いたQTLマッピングの結果を元に、平成17年度は以下のような成果を上げることができた。 オナジショウジョウバエの雌に対して雄の交尾率が大きく異なる2つのキイロショウジョウバエ系統を交配させ、系統化した組み換え体を約70系統準備した。これら同種の2系統間で種内交配を行った結果、雄が交尾相手を選択する際に系統間で好みの違いがあることがわかっているため、同種内の交尾相手選好性についてもマッピングを進めることとした。平成16年度行った実験では、組み換え体は系統化されていなかったため、細かいマッピングをすすめることができなかったため上記のような方法に切り替えた。これらの系統の交尾行動を観察することにより、第3染色体の右腕と左腕と両方に交尾前生殖的隔離機に関わる遺伝子が存在することが明確になった。更に、詳細なマッピングを進めている。 また、交尾行動をより効果的に定量化するために、カメラを用いて10秒おきに行動を撮影し分析する方法を立案し予備的なデータをとることができている。来年度はこの方法を用いて交尾行動の定量的データをとりたいと計画している。 これらのマッピングを進める中で、胸部背面の三叉の色素沈着の程度に上記2系統間で違いがあることがわかり、この原因遺伝子を行動と同時にマッピングしてみたところ、原因遺伝子として複数の候補遺伝子にしぼりこむことができた。こちらも同時に解析を進めている。
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