「コスモポリタン的」動物プランクトンの生活史特性と遺伝子組成の湖沼間比較

2004 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16770011
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 牧野 渡 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (90372309)
• Keywords: 動物プランクトン / DNA / 生活史 / 橈脚類 / ヤマヒゲナガケンミジンコ / Acanthodiaptomus pacificus

Research Abstract

今年度はAcanthodiaptomus pacificusを下記の湖沼・溜池やダム湖で採集した。
宮城県:蔵王芝草平から6池塘、化女沼ダム、金神堤、牛野ダム、猪倉溜池、大堤、坊主山堤、牛網池、大沢溜池、これに加えて山元町の1溜池(名称不明)
福島県:中富池
栃木県:中禅寺湖
長野県:白樺湖、白馬大池、風吹大池
岐阜県:鏡池
富山県:祐述ダム
サンプルは採集直後にエタノールで固定し実験室に持ち帰り、既報に従いDNAを抽出した。これをテンプレートとして増幅対象領域(ミトコンドリアDNAのCOI領域および16S rRNA領域)に特異的なプライマーセットとともにPCRに供し、得られた産物を精製後、BigDye terminatorを用いたサイクルシーケンシング法とオートシーケンサーにより塩基配列を決定した。なお用いたプライマーセットは次の通りである。
COI : LCO 1490(GGT CAA CAA ATC ATA AAG ATA TTG G)およびHCO2198(TAA ACT TCA GGG TGA CCA AAA AAT CA)
16S rDNA:16S-arL(CGC CTG TTT ATC AAA AAC AT)および16S-CB(ATT CAA CAT CGA GGT CAC AA)
現在は、もう2つのミトコンドリアDNA領域(すなわち12S rRNAおよびCyt-b)の塩基配列の解読を試みている。なお白馬大池、風吹大池、鏡池、祐述ダムのサンプルは富山大学の田中晋先生の御好意により提供していただいた。記してお礼申し上げます。