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2004 Fiscal Year Annual Research Report

精子競争関連形質の量的遺伝学〜交尾器進化のパラドックス解決に向けて〜

Research Project

Project/Area Number 16770017
Research InstitutionRissho University

Principal Investigator

上村 佳孝  立正大学, 地球環境科学部, 助手 (50366952)

Keywords昆虫類 / ハサミムシ類 / 繁殖生態学 / 交尾器の進化 / 性選択 / 精子競争 / 量的遺伝学 / 放射線育種学
Research Abstract

動物の交尾器の形態は(1)種内ではサイズ等がほぼ一定で安定しているが,(2)種間では他の形質と比べて変異が大きく,速く進化することが示唆されている.このような急速な進化には,精子競争を含む交尾成立後に作用する性選択の役割が重要視されているが,そのような作用を「受ける側」である交尾器形態の遺伝的基盤には不明な点が多く,その解明は「種内では安定,種間では急速に進化」という交尾器進化のパラドックスを解決につながると期待される.本研究では,雌雄交尾器の遺伝的基盤を量的遺伝学の手法で明らかにし,その結果を組み込んだ交尾器の進化の数理モデルの構築を目指している.材料として昆虫類,特に交尾器形態に著しい多様性が観察されるハサミムシ類(革翅目)を選択し,平成16年度は以下のような成果が得られた.
交尾器形態の大きく異なるハサミムシ類の2種コバネハサミムシEuborelliaplebeja(マルムネハサミムシ科),スジハサミムシProreus simulans(テブクロハサミムシ科)について,量的遺伝学的手法(半兄弟作成)により交尾器形態およびその他の繁殖成功に影響する形質の遺伝的基盤を調査した.前者の種類については,解析を終了しており,雄の繁殖成功の重要な決定要因である雄の体サイズについて,有意な相加的遺伝分散を検出した(現在,論文投稿中).その他,オオハサミムシLabidura riparia・ヒメカメノコテントウPropyrea japonica(甲虫目:テントウムシ科)についても,実験室内での飼育方法を確立し,来年度には実験を開始できる見込みである.
各種昆虫の交尾器形態の進化を,正しく比較検討するためには,その相同性に関する知見が不可欠である,放射線育種学的手法(ガンマ線照射による突然変異誘発)を用いて,各種ハサミムシ類の多様な交尾器形態の相同性に関する検討をあわせておこなっている.

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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