2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16770026
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
尾之内 均 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (50322839)
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Keywords | 翻訳伸長停止 / シスタチオニンγ-シンターゼ / mRNA切断 / ポリソームプロファイル解析 / シロイヌナズナ / メチオニン |
Research Abstract |
本研究では、翻訳伸長段階の制御を検索するための方法として、翻訳の伸長が途中で停止することによってリボソームが5'側に遍在したようなmRNAを検索する方法の開発を行っている。 本年度は、まずそのための予備実験として、メチオニン添加に応答して翻訳伸長停止が起こることが知られているシロイヌナズナのシスタチオニンγ-シンターゼ(CGS) mRNAを用いて、翻訳伸長停止を誘導した際のmRNA上のリボソームの分布の変化をポリソームプロファイル解析によって解析した。その結果、メチオニン未処理のシロイヌナズナカルスではモノソーム画分にCGS mRNAが多くみられたのに対し、メチオニン処理した場合にはリボソーム数が4-5個の画分に多くのCGS mRNAが存在した。 また、CGS mRNA上で翻訳が停止したあと、停止したリボソームの5'側でmRNAの切断が起こるが、その際に30塩基間隔の複数箇所でmRNAの切断がみられる。このmRNA切断部位とリボソーム数の関係をポリソームプロファイル解析によって調べたところ、リボソーム数の多い画分ほどより5'側でmRNAの切断がみられるようになった。これはメチオニン添加に応答して停止したリボソームによって後続のリボソームの進行が妨げられ、複数のリボソームが数珠つなぎ状態で停止し、そのうちの最も上流のリボソームの5'側でmRNAの切断が起こるためであると考えられる。 これらの結果から、翻訳の伸長が途中で停止するようなmRNAでは、実際にリボソームが5'側に遍在していることが示唆され、本研究で開発している方法によって翻訳伸長段階の制御の検索が可能であることが支持された。
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