2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報に基づく植物細胞壁の多様な構造と構築機構の解明
Project/Area Number |
16770027
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横山 隆亮 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (90302083)
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Keywords | イネ / シロイヌナズナ / 細胞壁 / キシログルカン / コンド型キシログルカン転移酵素 |
Research Abstract |
イネのゲノム上に存在する29種類のエンド型キシログルカン転移酵素/加水分解酵素(OsXTH)について、DNAマイクロアレイ法とリアルタイムRT-PCR法を用いて、植物体における遺伝子の発現パターンを詳細に解析した。結果は下記の通りである。1)シロイヌナズナのXTH遺伝子ファミリーと同様に、イネにおいても各XTH遺伝子が独自の発現パターンを有していた。2)その中には、根や葉などで特異的な発現を示すOsXTH遺伝子が存在した。3)また各器官において、細胞伸長と密接に関わる発現パターンを示すOsXTH遺伝子が存在した。4)ジベレリンなどの植物ホルモンにより制御されるOsXTH遺伝子を同定した。以上の結果をふまえ、細胞伸長に関わるOsXTH遺伝子とジベレリンによる制御されていたOsXTH遺伝子について、これらの遺伝子の発現を抑制するようなRNAiを発現させる形質転換植物体の作成に着手した。またシロイヌナズナと同様に、多くの細胞壁関連遺伝子ファミリーがイネにおいても存在することが示唆されていたので、イネにおける細胞壁関連遺伝子ファミリー群を同定し、シロイヌナズナの遺伝子ファミリーとの比較解析を行なった。その結果、イネとシロイヌナズナとの細胞壁構造の違いにも関わらず、多くの遺伝子ファミリーの構成が、XTH遺伝子ファミリーのように両植物間でよく保存されていることが明らかになった。また同時に各植物種固有の細胞壁関連遺伝子の存在も明らかにした。
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