2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16770028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤 進一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00315748)
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Keywords | シロイヌナズナ / 維管束 / イネ / van3 / 細胞間シグナル / CLV3 / 分裂組織 / 運命決定 |
Research Abstract |
本研究は空間認識機構の3次元的解明に向け、各次元の解析に関して独立に準備してきた。 1;1次元的空間認識機構解明のためにイネの葉脈パターン異常を示す36ラインの突然変異体を単離した。TCM35突然変異体は中でも、横走維管束の間隔が狭くなること等から、横走維管束の起点形成における空間認識において拡散性物質の分泌や受容に異常を示していると考えており、詳細なマッピングを行っている。また、生理学的解析からオーキシンやNPAが横走維管束の間隔に影響を与えることを示し、空間認識機構においてオーキシンが機能しうること、そこにTCM35が関与することを示唆した。2;2次元的空間認識機構解明のため、シロイヌナズナの葉脈パターンに異常を示す突然変異体van1-7の解析を行ってきた。Van1,3,4,7の原因遺伝子は同定できており、全て細胞内膜系に局在し、VAN3の場合はARF-GAPをコードし、TGNと細胞膜に局在することを見いだした。VAN3はダイナミンであるDRP1Aと相互作用し機能することや、その活性がリン脂質(PI-4P)により調節されること、ホモダイマーを作ること、ARF-GAP活性を実際持つこと等、蛋白質の細かい特徴を明らかにしてきている。さらに、van3突然変異体ではオーキシンのマーカーラインであるDR5::GUSのレポーター活性がオーキシンにより上昇しない(オーキシンに応答しない)ことから、オーキシンのシグナル伝達系に異常を示すことが明らかとなった。3;3次元的空間認識機構解明のためシロイヌナズナの茎頂分裂組織で機能するCLVシグナル伝達系に注目した。CLV3はペプチドリガンドとして機能することが示唆されていたが、その実体は明らかになっていなかった。我々は、まず合成ペプチドの機能を評価できる寒天培養、及び液体培養を用いたアッセイ系を確立した。さらに、合成ペプチドのdeletionシリーズを作成し、このアッセイ系を用いてCLV3遺伝子過剰発現様の表現型を確認することで、特定の12アミノ酸がCLV3様の機能として必要十分であることを明らかにした。またclv3突然変異体においても機能することからこの合成CLV3ペプチドはCLV3シグナルのリガンドとして機能することが明らかとなった。
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