2005 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナのシュートにおけるメリステムおよび器官形成機構の研究
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16770035
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
相田 光宏 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (90311787)
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Keywords | 高等植物 / 茎頂分裂組織 / 器官境界部 / 転写因子 / サプレッサー変異 / 下流遺伝子 / 発生 / 形態形成 |
Research Abstract |
(A)cuc1 cuc2二重変異体のサプレッサー変異の単離と解析 cuc1 cuc2二重変異体のホモ接合体は不稔であるため、サプレッサーの単離は困難であると判断し、代わりにホモ接合体で維持が可能でcuc1 cuc2とよく似た表現型を示すcuc2 cuc3変異体を用いた。cuc2 cuc3をEMSで変異原処理したM1植物750個体について、次世代の芽生えで表現型が部分的に回復し、かつ安定に遺伝するものが16系統得られた。そのうち特に顕著な回復を見せる212-2系統について詳しく解析したところ、この系統に含まれる変異はcuc2 cuc3の胚発生における異常のみを特異的に抑制すること、および2番染色体に座乗することを示唆する結果を得た。 (B)CUC1下流遺伝子の探索と解析 CUC1過剰発現体と野生型の芽生え、およびcuc1 cuc2二重変異体と野生型の胚の2種の組み合わせでマイクロアレイおよびReal Time RT-PCRによるスクリーニングを行い、CUC1およびCUC2に正に制御される下流候補遺伝子15個選抜した。これらの一部について、グルココルチコイド受容体結合ドメイン(GR)を利用したCUC1タンパク質の機能活性化による発現の変動を調べたところ、少なくとも6つの遺伝子がCUC1活性化処理後短い時間(1時間から3時間)で発現が顕著に上昇する事がわかった。これらはCUC1により直接転写の活性化を受ける可能性がある。また、下流候補の一つであるPNYはCUC1・CUC2と協調して萼片および雌蕊の形成を調節することを明らかにした。別の下流候補であるLSH4については、植物体の一生を通じCUC1と同様にシュート機関の境界部で発現すること、およびLSH4の過剰発現により側方器官の発達が阻害されることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)