2004 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物におけるペルオキシソーム形成の制御機構の解明
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16770038
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
真野 昌二 基礎生物学研究所, 高次細胞機構研究部門, 助手 (20321606)
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Keywords | イロシヌナズナ / ペルオキシソーム / apm変異体 / GFP / オルガネラ / PEROXIN (PEX) / ペルオキシソーム形成 / タンパク質輸送 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度までに取得したapm変異体のうち、ペルオキシソームが巨大化するapm3変異体の解析を中心に実験を進めた。apm3変異体の原因遺伝子はポジショナルクローニングの結果、2番染色体のT28M21というBACクローンに座乗していることが明らかになった。さらに、ファインマッピングを進めたところ、T28M21上のAt2g39970遺伝子に一塩基置換を検出した。野生型のAt2g39970遺伝子をapm3変異体に導入したところ、ペルオキシソームは野生型の大きさに戻ったことから、このAt2g39970遺伝子がAPM3遺伝子であることが明らかとなった。 At2g39970遺伝子は、ペルオキシソーム膜タンパク質であるPMP38をコードしている。apm3変異により、60番目のTrpをコードするコドンTGGがTGAとなるストップコドンが生ずる。PMP38に関しては、既に当研究部門において特異抗体が作製されているので、この抗体を用いてウエスタンブロットを行った結果、野生型でに38kDのポリペプチドが検出されるのに対し、apm3変異体では検出できなかった。PMP38遺伝子の発現に関しては、発芽時における子葉でのみ解析が行われているにすぎない。しかしながら、apm3変異体では、本葉や茎などの発芽後の組織で巨大なペルオキシソームが検出されることから、その発現は発芽時の子葉だけではないと予想される。このため、APM3プロモーター下にGUS遺伝子をつなげた融合遺伝子をもつ形質転換植物の作製を開始した。既に、T2世代までは進めているので、今後はGUS染色を行うことにより、その発現パターンを明らかにしていく予定である。他のapm変異体についても、順次マッピングを進めており、原因遺伝子が同定されたものについては、抗体作製、GFPの融合遺伝子の作製などを行いつつある。
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