2005 Fiscal Year Annual Research Report
新しいユビキチン様タンパク質を介した植物細胞分裂における微小管制御機構の解明
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16770039
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
日渡 祐二 基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 助手 (10373193)
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Keywords | 細胞分裂 / フラグモプラスト形成 / ユビキチン様タンパク質 / GEF / 細胞伸長 / コケ植物 / タンパク質分解 |
Research Abstract |
微小管は植物細胞の分裂において紡錘体やフラグモプラストの構成に中心的な役割をするが、その制御の全体像は明らかではない。ヒメツリガネゴケ頂端分裂細胞に発現する姉妹遺伝子yh78(PUBL1)とpph27a22(PUBL2)はユビキチン様モチーフをもつ2型ユビキチン様タンパク質(UBL)をコードし、細胞分裂の各過程で微小管の制御を行う因子であると考えられる。本年度では、前年度に同定したPUBLと相互作用する因子の機能を解析することを主に研究を遂行し次の成果を得た。 1.前年度に作製した組換えPUBL2タンパク質を用いて抗PUBL2抗体を作製した。細胞内局在を調べるために本抗体を用いた免疫染色を行った結果、細胞周期を通して細胞質に存在し、分裂期では紡錘体全体およびフラグモプラスト赤道面に蓄積することがわかった。 2.微小管ダイナミクスへのPUBLsの機能を調べるために、GFPチューブリンを発現する系統でPUBL1、PUBL2の二重遺伝子破壊に成功した。 3.PUBL2は26Sプロテアソームと相互作用することから、26Sプロテアソーム分解活性阻害剤MG132で頂端分裂細胞を処理した結果、PUBL二重遺伝子破壊系統と同様の表現型が得られた。従って、PUBLが機能するためには26Sプロテアソームによるタンパク分解が必要であることが示唆された。 4.PUBL2相互作用因子でグアニンヌクレオチド交換因子類似タンパク質をコードするPpSPIKE1について、その姉妹遺伝子PpSPIKE2とともに一過的RNA干渉法による遺伝子機能阻害を行った結果、細胞伸長に異常が認められた。従って、PUBLsはPpSPIKEsが関与するsmall GTPaseシグナリング系を介して細胞伸長に機能している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)