2004 Fiscal Year Annual Research Report
浸透ストレスで活性化されるシロイヌナズナSnRK2プロテインキナーゼの機能解析
Project/Area Number |
16770043
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
梅澤 泰史 独立行政法人理化学研究所, 篠崎植物分子生物学研究室, 協力研究員 (70342756)
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Keywords | 環境ストレス / シグナル伝達 / 遺伝子組換え / シロイヌナズナ / プロテインキナーゼ / 乾燥耐性 |
Research Abstract |
シロイヌナズナにおける浸透ストレス応答性のプロテインキナーゼとして、SnRK2プロテインキナーゼファミリーに属するSRK2CおよびSRK2Gを単離し、その機能解析を開始した。SRK2CおよびSRK2Gを培養細胞に導入して様々なストレスを処理したところ、SRK2CおよびSRK2Gのキナーゼ活性は塩及びマンニトール処理によって特異的に上昇したことから、これらは浸透圧特異的に活性化するプロテインキナーゼであることを確認した。プロモーターGUS系を用いて、SRK2CおよびSRK2Gの遺伝子発現部位を解析したところ、SRK2Cは主に根で特異的に発現しており、SRK2Gは全身で発現していることが明らかとなった。さらにSRK2Cの欠失変異体および過剰発現植物が取得できたので、SRK2Cの機能解析を重点的に行った。SRK2C欠失変異体が根特異的な乾燥感受性を示したことから、SRK2Cはシロイヌナズナの根において乾燥耐性をポジティブに制御している因子であると考えられた。また、SRK2C過剰発現植物は乾燥耐性が有意に向上しており、多数の乾燥ストレス応答性遺伝子の発現が誘導されていた。これらの成果は、シロイヌナズナSnRK2プロテインキナーゼの一つであるSRK2Cが乾燥ストレスのシグナルを伝達しうるプロテインキナーゼであること、およびSRK2Cの遺伝子工学的利用による植物の乾燥耐性向上の可能性を示唆するものである。SRK2Gの欠失変異体及び過剰発現植物については現在解析を進めているところである。
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