2004 Fiscal Year Annual Research Report
植物性染色体構造解析による性染色体形態構築メカニズムの解明
Project/Area Number |
16770049
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松永 幸大 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40323448)
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Keywords | 性染色体 / 植物 |
Research Abstract |
(1)BACライブラリーから染色体マーカーの単離 構築したBACライブラリーをスクリーニングしてFISH解析プローブに使用するためのBACクローンを単離した。Y染色体連鎖断片を含むと考えられるBAC43クローンを単離した。 (2)マルチカラーFISHによる性染色体構造解析 ビオチン標識したBAC43クローンをFITCで、DIG標識したrRNAをローダミンで、染色体をDAPI染色で検出したマルチカラーFISHを行った。S.latifoliaのX染色体とY染色体のFISH像による形態比較を行った。このクローンはX染色体よりもY染色体に特異的なシグナルが検出された。 (3)BACクローンの塩基配列決定とアノテーション BAC43を保持する大腸菌を培養して、BAC43を精製した。BAC43の塩基配列を決定したところ、葉緑体ゲノム配列と相同性を得ることができた。18個の葉緑体遺伝子が含まれており、領域としてはrpoBからrps12が配列の順序性を失わずそのまま挿入されていることが明らかになった。 (4)葉緑体ゲノムとの塩基配列比較 マイクロダイセクションしたXとY染色体からDOP-PCRでゲノムDNAを増幅してライブラリーを作成した。BAC43をプローブにスクリーニングし、葉緑体ゲノムと相同な配列を単離した。その結果、X染色体由来の配列はY染色体由来の配列に比較してdegenerationの割合が低かった。特に遺伝子のエキソン以外のイントロン配列において、有意なこのことからY染色体の退化が植物の性染色体でも進行中であることを明らかにすることが出来た。
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