2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞におけるシアル酸重合体の多様性と生物機能の解析
Project/Area Number |
16770073
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 ちひろ 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 助教授 (10343211)
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Keywords | シアル酸 / ジシアル酸 / オリゴシアル酸 / CD166 / T細胞 / 活性化 / 神経細胞 / ミクログリア |
Research Abstract |
オリゴシアル酸はb, c-シリーズのガングリオシドと共通なエピトープあること、b, c-シリーズのガングリオシドは神経系の構築に重要な役割を果たすことからオリゴシアル酸含有糖タンパク質を同定することはオリゴシアル酸やその担体タンパク質の新機能解明に直接繋がる。本研究でシアル酸重合体の修飾をうけた糖タンパク質の同定およびその存在様式を明らかにすることを目的にオリゴシアル酸含有糖タンパク質の担体タンパク質の同定を行った。マウス脳における生化学的な解析の結果、CD166の他に、カドヘリン、シナプトフィジンがジシアル酸を持つことが今回明らかになった。脳内での免疫機構を司るマクロファージ様の細胞であるミクログリア上のシアル酸構造に関してこれまで解析が全くなされていなかった。今回、シアル酸重合体構造の存在を検証した。マウス新生児脳のプライマリーカルチャーおよびミクログリア細胞株を用いて、ポリシアル酸に対する抗体とオリゴ・ポリシアル酸を特異的に切断するエンドシアリダーゼ、およびジシアル酸に対する抗体を用いて、細胞染色およびウエスタンブロットによる免疫化学的な解析を行った結果、ミクログリア細胞にはジシアル酸構造だけでなくポリシアル酸が存在することが初めて明らかになった。また、これまで明らかになっているポリシアル酸含有糖タンパク質であるNCAMとCD36のタンパク質に対する抗体を用いた免疫沈降実験により、ミクログリア細胞には、NCAMとCD36が共に存在しており、両者ともポリシアル酸修飾を受けていることを明らかにした。
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Research Products
(8 results)