2004 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシソームマトリクスタンパク質輸送機構におけるタンパク質翻訳後修飾の役割
Project/Area Number |
16770101
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
奥本 寛治 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (20363319)
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Keywords | ペルオキシソーム / 翻訳後修飾 / RINGフィンガー |
Research Abstract |
哺乳動物ペルオキシソーム形成因子(ペルオキシン)はこれまで14種同定されており、このうち10種は、ペルオキシソーム移行シグナル1型(PTS1)を持つペルオキシソームマトリクスタンパク質の細胞質レセプターであるPex5pを介したペルオキシソーム内腔へのタンパク質輸送に関与することが明らかとなってきている。本研究では、C末にRINGフィンガーを持つ3種の真在性ペルオキシソーム膜局在性ペルオキシンPex2p,Pex10p,Pex12p(RINGペルオキシンと呼称)に着目し、これらRINGペルオキシンのユビキチン(Ub)リガーゼ活性の有無とその生理的役割を理解することを目的としている。本年度は、申請者が確立したRINGペルオキシンを使用したin vitro Ub結合実験系を利用して、すでに自己Ub活性を見いだしていたPex10pについてさらなる解析を行った。Pex10p分子内のUb結合標的候補残基であるリシンをアルギニンに置換した変異体を用いたin vitro Ub結合実験系により、主にPex10pのRINGフィンガー内の一つのリシン残基がUb化されることが判明した。また、タグ付き野生型Pex10pとタグなしのUb結合活性欠損型Pex10pを混合してin vitro Ub結合実験を行い、Pex10pの自己Ub化が少なくとも分子間で起こっていることを明らかにした。Pex2p,Pex12pについても自己Ub化活性の有無について検討を行ったが、現在までの条件ではどちらも自己Ub化活性を示さなかった。さらなる条件検討が必要であると考えている。
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