2005 Fiscal Year Annual Research Report
生合成酵素の立体構造に基いた細胞内スフィンゴ脂質濃度の制御機構についての研究
Project/Area Number |
16770103
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
生城 浩子 大阪医科大学, 医学部, 助手 (10280702)
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Keywords | スフィンゴ脂質 / セリンパルミトイル転移酵素 / PLP酵素 |
Research Abstract |
新規のセリンパルミトイル転移酵素(SPT)遺伝子4種類をクローニングし,全ての遺伝子〓いて大腸菌内大量発現系を構築した。それぞれの組み換え酵素の精製法を確立し,精製酵素標〓用いて一連の性状解析を行なった。以下に本研究で得られた結果をまとめる。 (1)いずれの細菌由来のSPTもピリドキサール-5'-リン酸(PLP)を補酵素とし、420nm付近に〓クを持つ特徴的な吸収スペクトルを示した。 (2)いずれのSPTもPLPと酵素のリシン残基との間で形成しているSchiff塩基の歪みに由来す〓偏光二色性スペクトルを示した。 (3)アミノ酸基質であるL-セリンの結合によって、420nmの吸収ピークの増加が,円偏光二色性〓クトルにおいては、吸収ピークの符号の反転が観察された。これらのスペクトル変化の基質〓依存性より、L-セリンに対するSPTの解離定数を算出することができた。 (4)定常常態下での酵素活性を測定し、Ordered Bi Bi機構に基づいた速度論的解析を行ない、〓のSPTについてKm,kcatなどの反応速度定数を求めた。 (5)精製標品を抗原として、各SPTに対するポリクローナル抗体を作製した。金コロイドを利用〓免疫電子顕微鏡法により、SPTの菌体内部での局在を調べた。試験管内では水溶性酵素とし〓挙動を示すSPTであるが、電子顕微鏡観察の結果,細胞内膜近傍に偏在する像が得られたこ〓ら、菌体内部では表在性膜タンパク質として存在しているのではないかと考えられた。 (6)Sphingobacterium由来SPTに関して、酵素タンパク質のアミノ酸基質複合体の結晶化とX線〓構造解析による立体構造決定に成功した。この構造に基づいて2つめの基質であるパルミト〓CoAが結合した後の反応中間体の構造モデルを作製した。
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Research Products
(2 results)