2004 Fiscal Year Annual Research Report
DNA相同組換えの制御機構に関わる蛋白質群の構造と機能
Project/Area Number |
16770105
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
美川 務 独立行政法人理化学研究所, 城生体金属科学研究室, 研究員 (20321820)
|
Keywords | 相同組換え / RecA / RecF経路 / NMR分光法 |
Research Abstract |
近年,DNA複製フォークの修復にDNA相同組換えが重要であることがわかってきた.原核生物のRecF経路ではRecF, RecO, RecRの3種の蛋白質が実際に組換え反応を行う蛋白質であるRecAに働きかけてDNA相同組換えを介した複製後修復を進行させる.本研究ではこれら3種の蛋白質の働きを詳細に解析することを目的としている. DNA傷害などにより複製が停止すると単鎖DNA(ssDNA)領域が生じる.生体内ではこの領域に単鎖DNA結合蛋白質(SSB)が結合して一時的にその保護を行っている.SSBは最終的にRecAに置換えられるが,そのメカニズムについては明らかにされていない.そこで,本年度はこのメカニズムについての解析を行い以下の結果を得た. 非変性ポリアクリルアミド電気泳動を用いて蛋白質間相互作用を調べたところ,RecOはSSB, RecRの両者に結合することが明らかになった.また,蛍光を付加したssDNAを用いた蛍光スペクトル解析の結果,RecOはSSBよりssDNA結合力が高いことが明になった.RecAのssDNA依存性のATP加水分解活性を解析することにより,RecOはRecAの活性を促進すること,RecOのみではSSBをssDNA上から除去できないこと,SSBの除去にはRecOに加えてRecRが必要であることが明らかになった.これらの結果から,次のモデルを構築した.1.ssDNA上のSSBにRecOが相互作用し,RecO-SSB-ssDNA複合体が形成される.2.この複合体のRecOにRecRが相互作用した結果,SSBがssDNAから除去される.3.ssDNA上にRecOが結合し,RecAが組換えを行いやすいDNA構造を形成する.4.RecAがssDNA上にフィラメントを形成し,DNA相同組換えを進行させる.
|
Research Products
(2 results)