2005 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌走化性レセプタへの好塩菌走光性サブシステムの組み込み
Project/Area Number |
16770109
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鷲見 正人 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (30281819)
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Keywords | 生体分子 / 細菌 / 遺伝子 / タンパク質 |
Research Abstract |
サルモネラ菌の走化性レセプタと、好塩菌Natronobacterium pharaonisの光シグナルトランスデューサの遺伝子とその産物は、後者におけるリガンド結合部位の欠如を除けば、まったく同じドメイン構造を有することが分かっている。本研究では、1)サルモネラ菌の走化性レセプタのリガンド結合部位を、好塩菌の光シグナルトランスデューサ膜貫通部分の短いループ部への融合、2)(1)の産物の下流に、サルモネラ菌走化性レセプタのシグナリング部位を融合、という第二段階のステップを踏む予定であったが、本年度に予定どおりには遂行できなかった。 理由として、作製した融合タンパク質について、大腸菌ホストにおける、比較的大量の発現と、膜内での安定性を確認できたにもかかわらず、界面活性剤による可溶化、単離・精製過程を経ることによりタンパク質試料として不安定になり、ITC測定などに必要な透析作業などによりリガンドへの結合活性が著しく低下してしまうことが判明したからである。また、作成した融合タンパク質とのITC測定値等定量性の比較に用いるため、サルモネラ菌の走化性レセプタをリガンド結合部と膜貫通部分のみを有するタンパク質断片を発現して得ようとしたが、これもうまくゆかなかった。 そこで本年度は、サルモネラに代えて、ホストである大腸菌由来の走化性レセプタ遺伝子を用い、まったく同じ融合タンパク、および、比較用の断片タンパク質を作ることができないかを試みた。同時に、大腸菌の走化性レセプタの断片タンパク質の発現も試み、これらに成功した。ITC測定を通じて、この断片タンパク質および作成した融合タンパク質のリガンドおよび走化性レセプタタンパク質との結合サイト数および結合定数は、それぞれ無傷な走化性レセプタとリガンド、走光性トランスデューサとレセプタとの文献値と一致することを確認することができた。
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