2004 Fiscal Year Annual Research Report
多様なPASドメインタンパク質の相互作用機構は同一か
Project/Area Number |
16770117
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
山崎 洋一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (40332770)
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Keywords | PASドメイン / タンパク質相互作用 / 構造機能相関 / 情報伝達 |
Research Abstract |
本研究はPASドメインを有するタンパク質の作用機構がPASドメインファミリーで保存されているのか、異なる機能を有するPASドメインタンパク質である、光受容タンパク質photoactive yellow protein (PYP)と光合成色素発現抑制因子PPSRとをもとに議論する。本年度は、PPSRが機能する際のドメイン構造変化を各ドメインの役割から明らかにした。また平行して、ゲノム解析が終了しており生体内で機能を推し量りやすいRhodobacter capsulatusのPYP(Rc-PYP)の発現系の構築とその物性の解析を行った。PPSRには1次構造から二個のPASドメインの存在が予測されているが、各ドメイン毎に作成した変異体の解析から、C末端部位に位置するPASドメインが機能上重要な会合体の形成に関与していることがわかった。この近傍には酸化還元刺激の入力部位であるシステインが存在しておりDNA結合に必要な構造変化を起こして部位であると推察される。またRc-PYPの発現系を構築しその物性の評価と、相互作用タンパク質の同定を行った。Rc-PYPは現在までに良く報告されているEctothiorhodospira halophila由来のPYPと異なり短波長側にも吸収極大を持ち紫外光に対しても反応することを明らかにした。この短波長吸収の特性からRc-PYPが定常光下で活性型・不活性型を持つことが推察された。これら二つの機能的に異なるPASドメインについてその構造変化様式を今後比較していく。
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