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2004 Fiscal Year Annual Research Report

化学反応のゆらぎと協同現象としての細胞現象の理論生物物理

Research Project

Project/Area Number 16770118
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

柴田 達夫  広島大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10359888)

Keywords化学反応の揺らぎ
Research Abstract

細胞内の生化学反応に伴う、成分の濃度の時間的揺らぎに関する基礎的な理論を確立した。特に、シグナル伝達系においては、アロステリック反応など微小なシグナルを増幅するための化学反応が多数ある。本研究では、シグナルを増幅するための反応は不可避的に大きなノイズを生成することを理論的に示した。特に、(1)シグナルの増幅率と生成するゆらぎの分散の大きさの間には比例関係がある,また、(2)シグナルにノイズが含まれると、そのノイズも増幅される。ノイズの増幅率は、シグナルの増幅率とシグナルに含まれるノイズを平均化する作用の大きさの積で与えられる、ことを理論的に示した。これらの理論から得られる結果から、これまでの遺伝子発現に関するゆらぎの実験をうまく解釈することが出来る。
シグナル伝達系は通常、カスケードを形成している。ある反応で生成されたノイズはそのカスケードを伝達する。本研究の結果から、伝達されるノイズの特性時間はカスケードを伝達するにつれて長くなっていくことが分かる。従って、もしもカスケード全体で微小シグナルを増幅しているとすると、シグナル伝達系の最下流では上流から伝わるノイズによって遅い揺らぎが生まれていることが示唆された。この理論によって、最近のバクテリアのランダムな運動に関する実験をうまく説明することが出来る。
これらの結果から、アロステリック効果を含む反応などシグナル増幅率の大きい反応は、場合にっては大きなノイズを作るために使われていて、その結果、行動の多様性を生み出している可能性が示唆される。

  • Research Products

    (2 results)

All 2005 2004

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] Noisy signal amplification in ultrasensitive signal transduction2005

    • Author(s)
      Tatsuo Shibata, Koichi Fujimoto
    • Journal Title

      Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 102

      Pages: 331-336

  • [Journal Article] Amplification of noise in a cascade chemical reacsion2004

    • Author(s)
      Tatsuo Shibata
    • Journal Title

      Physical Review E 69

      Pages: 056218

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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