2005 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母の減数分裂を制御するRNA結合タンパク質の機能解析
Project/Area Number |
16770125
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 朗 東京大学, 遺伝子実験施設, 助手 (30312276)
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Keywords | 分裂酵母 / 減数分裂 / RNA結合タンパク質 |
Research Abstract |
本研究では、減数分裂過程を制御する分子機構を解明することを目指し、分裂酵母の減数分裂制御系において中心的役割を担うRNA結合タンパク質Mei2pの機能解析を行っている。Mei2pは減数分裂前期核でRNA分子meiRNAと結合して点状の構造体を形成する。遺伝学的解析によってMei2p点状構造の下流に、減数分裂特異的なmRNAの安定性を制御する機構が存在することが示唆されていた。この安定性制御に関わる因子として新規RNA結合タンパク質Mmi1pを同定していた。Mmi1pは体細胞期において、減数分裂特異的mRNAに直接結合し、それらを不安定化に導く因子であった。Mmi1pは体細胞期には核内で複数の点に局在するが、減数分裂条件下ではMei2p点状構造に集積することを明らかにした。また、Mei2p点状構造を形成できない変異株は減数分裂不能となるが、この表現型がMmi1pの活性を下げることで抑圧できることが明らかとなった。これらの結果から、Mei2p点状構造体の主な機能が、Mmi1pを減数分裂特異的に機能抑制することであることが強く示唆された。 次に、Mmi1pが引き起こす減数分裂特異的mRNAの不安定化機構の解析を行った。具体的には、Mei2p点状構造欠失変異の新規抑圧変異体を探索することで、Mmi1pと同じ経路で働く因子の同定を試みた。複数の抑圧変異体を得て、それらの原因遺伝子を特定した。それらにはmRNAのpoly (A) tailの制御に関わる因子が複数含まれており、Mmi1pによるmRNA不安定化とpoly (A) tailとの関連が示唆された。
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