2004 Fiscal Year Annual Research Report
テロメアヘテロクロマチンの形成機構および機能の解明
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16770127
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加納 純子 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (10323809)
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Keywords | 染色体 / ゲノム / RNAi / テロメア / ヘテロクロマチン |
Research Abstract |
分裂酵母Taz1はテロメア繰り返し配列に直接結合する。spRap1やspRif1タンパク質はTaz1依存的にテロメアに局在する(Kanoh et al.2001)。まず、これらのテロメア特異的タンパク質やヘテロクロマチンタンパク質Swi6がテロメアにおいてどのような局在分布を示すのかを調べた。Taz1やRap1はテロメアリピート領域とそのすぐ隣のサブテロメア領域約10kbに渡って局在していた。それに対して、Swi6はテロメア末端付近にはあまり局在せず、代わりにサブテロメア領域の広い範囲(50〜80kb)に渡って局在していた。300bpのテロメアリピートDNAを染色体内部のユークロマチン領域に挿入したところ、Swi6ヘテロクロマチンが新規に形成された。また、テロメアリピートのみを持ち、サブテロメア領域を持たない人工ミニ染色体のテロメアにおいてもSwi6は局在していた。これらの場合におけるSwi6ヘテロクロマチンの形成にはTaz1が必須であった。また、Swi6ヘテロクロマチンの確立はサブテロメア領域の一部によっても引き起こされることがわかった。その領域にはセントロメアなどの他のヘテロクロマチン領域に共通に見られるDNA配列と相同性の高い配列が存在しており、その配列近辺の転写はRNAi依存的であった。さらに、その領域へのSwi6ヘテロクロマチンの確立にRNAiが関与していることがわかった。これらのことから、分裂酵母のテロメアにおいて、テロメアリピート結合タンパク質であるTaz1とRNAi機構が独立にSwi6ヘテロクロマチンを確立することが明らかとなった。
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