2005 Fiscal Year Annual Research Report
組み換え蛋白質によるRNAポリメラーゼII再構成と各サブユニットの新規機能の探索
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16770130
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
中太 智義 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (10364770)
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Keywords | RNAポリメラーゼII / RPB / バキュロウイルス発現系 / 再構成転写系 / 基本転写因子 / NF複合体 / コアクチベーター |
Research Abstract |
当研究では、バキュロウイルス組み換え蛋白質発現系を用い、ヒトRNAポリメラーゼII(RNAPII)を再構成することにより、RNAPIIの機能を解析することを目的としている。初年度においては、組み換えRNAPIIが効率よく再構成されてないことが明らかとなったので、本年度より、サブユニット発現ウイルスの再構築を行った。これまでは5種類のウイルスにより全12サブユニットを発現させていたが、3種類のウイルスで全サブユニットを発現させることに成功した。このウイルスのうち一つは8種の組み換え蛋白質を発現するが、これ程の複数種同時発現ウイルスの報告がこれまでないことからも、以上の結果は方法論的にも新しい。このバキュロウイルスを用い、サブユニットを昆虫細胞内で発現させ、その細胞抽出液から組み換えRNAPIIを、イオン交換カラムクロマトグラフィー法とアフィニティークロマトグラフィー法を用いて精製した。活性の有無の評価は、in vitro再構成転写系により行った。現在、より活性の高いRNAPIIの精製を目指し、カラムクロマトグラフィーの選択などを含めた精製方法の検討を行っている。 また、RNAPIIの新規機能を明らかにするため、上記の組み換え蛋白質技術を用いて、以下の解析も行った。当研究室ではc-fos遺伝子転写を活性化する新規コアクチベーターとしてNF複合体を同定しているが、このNF複合体が、RNAPIIのRPB1カルボキシル末端(CTD)結合タンパク質であるTFIIE同様、RNAPIIに結合することを見出した。これまで、RPB1のCTDは転写後RNA調節に関与する因子群のプラットホームとなり、転写と転写後RNA調節の同調に関与していること、NF複合体は転写後RNA調節に関与していることから、CTDを介した転写と転写後調節の同調に、NF複合体が積極的に関与している可能性が示された。
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