2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16770138
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 典子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10361073)
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Keywords | p27 / GO期 / タンパク質安定化 |
Research Abstract |
GO期特異的に形成されるp27巨大複合体構成因子の同定・機能解析を目標として本研究を行った。p27は細胞周期の進行に必要なサイクリン・サイクリン依存性キナーゼ(CDK)複合体に結合し、その活性を阻害することによって細胞増殖の抑制を引き起こす負の調節因子であり、GO期から細胞周期に再進入する際にタンパク質分解により発現量が急速に減少する、重要な鍵分子である。このp27のSer10部位をAlaに置換した非リン酸化型ノックインマウスを作製・解析したところ、本来非常に安定であるはずのGO期にp27タンパク質が不安定化し、p27発現量が低下することが明らかとなった。 そこでGO期におけるp27の制御機構を明らかにするために予備実験を行ったところ、GO期においてのみp27はサイクリン・CDK複合体のみでは説明できない巨大な複合体を形成していることが明らかとなった。また、このp27巨大複合体の形成は増殖シグナルであるPI3キナーゼ活性によって阻害され、p27が不安定化することもわかってきた。本研究ではGO期特異的に形成されるp27巨大複合体プロテオミクスを行い、その構成因子を明らかにすることを試みた。 まず293T細胞にFLAGタグを付加したp27を発現させ、通常の増殖状態においた細胞とPI3Kインヒビター処理した細胞について、抗FLAG抗体カラムを用いてp27複合体を濃縮し、p27複合体プロテオミクスを行った。その結果、30種類弱のタンパク質をPI3Kインヒビター存在下のp27結合因子として同定することに成功した。これらp27結合因子は既に報告されている既知分子も含んでいたが、新規分子も多くみられたため、いくつかの分子に関してはcDNAをクローニングし、発現ベクターを作製した。現在それらがp27巨大複合体の構成因子として複合体に含まれるかどうか確認中である。また、正常細胞を用いたp27複合体プロテオミクスも同時進行中である。
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Research Products
(6 results)