2005 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量GTP結合蛋白質Rhoの活性制御因子LARGの活性制御と生理機能の解析
Project/Area Number |
16770146
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田谷 真一郎 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60362232)
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Keywords | LARG / 低分子量GTP蛋白質Rho / TNF-α |
Research Abstract |
低分子量GTP蛋白質Rhoの多彩な生理機能は、様々な細胞を用いて研究されてきた。しかし、現在報告されているRhoの活性制御機構だけでは、Rhoの生理機能は説明しきれない。私共はRhoの活性制御蛋白質としてLARGを同定している。本年度は、LARGの機能解析をするために、LARG結合蛋白質の解析ならびにトランスジェニックマウスの作製を行った。研究実績は以下の通りである。 (1)LARGの活性制御機構の解析 LARG活性調節の分子機構の解析 昨年度は、ラット海馬神経細胞を用いてLARGの活性化調節にLARG結合蛋白質CRMP-2が関与することを見出した。 本年度は、すでに同定しているLARG結合蛋白質BREに着目して研究を遂行した。BREはTNF-αの受容体に結合し、TNF-αによるアポトーシスに関与する分子である。まず、細胞内でのLARGとBREの局在を検討した結果、ともに細胞間接着部位に濃縮することが明らかになった。この濃縮部位にTNF-α受容体も濃縮することを見出した。さらに、細胞をTNF-αで刺激したところRhoの活性化が認められた。以上の結果は、TNF-αの下流でBRE/LARG複合体を介しRhoを活性化していることを示唆する。 (2)LARGの生理機能解析 トランスジェニックマウスの作製 LARGの活性制御機構の解析は主にラットの海馬神経細胞で行うため、個体レベルで反映されるか検証する。昨年度は、恒常的に活性化させたLARGを誘導的に発現させることのできるトランスジェニックマウスの作製に着手した。その結果、数ラインのトランスジェニックマウスの樹立に成功した。本年度は、各組織でLARGを発現させるマウスと得られたトランスジェニックマウスを掛け合わせて解析中である。 以上の結果から、平成17年度の研究計画はほぼ達成されたものと考えられる。
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