2004 Fiscal Year Annual Research Report
真核生物型リン酸化情報ネットワークを介する抗生物質生産制御機構の解明とその応用
Project/Area Number |
16770150
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
熊谷 孝則 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70274058)
|
Keywords | 放線菌 / シグナル伝達 / チロシンリン酸化 / 2D-PAGE / 免疫沈降 / 金属クロマトグラフィー |
Research Abstract |
放線菌は、複雑な形態分化をすること、および、抗生物質をはじめとする多種多様な二次代謝産物を生産することが特徴である。これまで、アクチノロジン生産菌Streptomyces (S.) coelicolorの細胞内には、チロシンリン酸化タンパク質が数多く存在することを見出しているが、それらリン酸化タンパク質が抗生物質生産をどのように制御しているかについては、ほとんど明らかになっていない。本研究では、S.coelicolorに存在するチロシンリン酸化タンパク質を同定し、それらによる抗生物質生産制御機構を明らかにすることを目的としている。 S.coelicolorに存在するチロシンリン酸化タンパク質を同定するため、その細胞抽出液を調製し、リン酸化タンパク質を特異的に捕捉する金属アフィニティークロマトグラフィーにより、リン酸化タンパク質を濃縮した。濃縮後、二次元ゲル電気泳動(2D-PAGE)により展開し、抗ホスホチロシン抗体を用いたウエスタン解析によりチロシンリン酸化タンパク質を検出した。その結果、ウエスタン解析では明らかにチロシンリン酸化タンパク質を認めることができたが、2D-PAGEのゲル上において、それらに相当するスポットを同定することは困難であった。これは、チロシンリン酸化タンパク質の存在量が少ないためであると考えられた。そこで、抗ホスホチロシン抗体を用いた免疫沈降法により、チロシンリン酸化タンパク質の濃縮を試みた結果、SDS-PAGEゲル上でクマシー染色により、バンドが目視できる程度までチロシンリン酸化タンパク質を濃縮することに成功した。今後は、それらリン酸化タンパク質の同定を早急に行い、それらタンパク質による抗生物質生産制御機構を明らかにする研究へと展開していく予定である。
|
Research Products
(2 results)