2004 Fiscal Year Annual Research Report
酵母のCa^<2+>情報伝達経路によるタンパク質制御機構に関する研究
Project/Area Number |
16770151
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
水沼 正樹 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (10343295)
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Keywords | 酵母 / カルシウム / 細胞周期 / 形態形成 |
Research Abstract |
Ca^<2+>情報伝達経路に関与する新たな分子を同定するため、Ca^<2+>シグナルに応答出来なくなった変異株(scz変異と銘々)を多数取得し、解析を行っている。scz変異は20の遺伝子座に分類されているので、まだ同定していないscz変異を相補する遺伝子のクローニングを行った。その結果、Pkc1やYer043cなど生育に必須な遺伝子の取得に成功しそれらの機能を明らかにした。 PKC1はG1サイクリンの発現を介したアクチンの芽への局在維持に必要である 変異株の一つscz6変異の原因遺伝子として、Cキナーゼとして知られるPKC1遺伝子を取得した。解析の結果、Pkc1はG1サイクリンの発現に必要な事が分かった。さらにF-アクチンの芽への局在維持に必須な事も明らかになった。さらにこの機構は細胞壁強度維持に重要な役割を持つMpk1経路とは独立して機能することが分かった。 S-アデノシルホモシステイン加水分解酵素欠損株の解析 さらに別の変異株についても遺伝子のクローニングを行った。その結果、scz7変異の原因遺伝子は、S-アデノシルホモシステイン加水分解酵素をコードするYER043cであることが分かった。データベース検索の結果、本酵素は酵母からヒトに至るまで高度に保存されていることが分かった。さらに解析の結果、この変異株ではS-アデノシルホモシステインおよびS-アデノシルメチオニンが高蓄積していた。さらに変異株は、G1期の遅延が観察され、これはS-アデノシルメチオニンによる効果であることが分かった。 また、S-アデノシルメチオニンは細胞周期進行に重要な遺伝子の転写抑制に機能することも明らかになった。
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