2005 Fiscal Year Annual Research Report
Pitx2の下流遺伝子の探索、解析による左右非対称な器官形成機構の解明
Project/Area Number |
16770163
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白鳥 秀卓 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助手 (90362590)
|
Keywords | 器官形成 / 左右軸 / 発生生物学 / Pitx2 |
Research Abstract |
1.肺原基における、左右非対称なFgf10の発現制御 昨年度、トランスジェニックマウスの手法を用いて、Fgf10の肺原基におけるエンハンサーがFgf10のイントロンと3'領域を含む200bpに存在する事を明らかにした。本年度はさらに解析を続け、そのエンハンサーが,Fgf10のイントロンの2カ所、3'側領域の1ヵ所のマウスとヒト、ニワトリで保存された領域のいづれかに存在することを明らかにした。また、このエンハンサーが、大動脈・肺動脈原基でも左右非対称に活性化していることを発見した。 このエンハンサー活性は、野生型では右側が左側より強いが,左側特異的に発現するPitx2のASE(左右非対称なエンハンサー)欠損マウスでは、左側も右側と同様の強度になった。この結果より、Fgf10の左右非対称性がPitx2によって制御されていることを明らかにした。 2.Pitx2の下流遺伝子のスクリーニング 昨年度抽出した41個のPitx2 ASE 欠損マウス胚と野生型胚で発現量の差に再現性が認められる遺伝子について、Whole-mount in situ hybridizationによりマウス胚における発現様式を観察したが、野生型で左右比対称に発現している遺伝子は一つもなかった。 次に、受精後9日目のPitx2 ASE(左右非対称なエンハンサー)欠損マウス胚と野生型マウス胚を約20胚ずつ集め、そこから集めたRNAを1ロットとした。昨年同様の方法で集めたRNA 1ロットと合わせて、昨年度より性能が良くほぼ全遺伝子が載っているマイクロアレイ(Codelink)を利用して、Pitx2 ASE欠損マウス胚と野生型胚で発現量の差に再現性が認められる遺伝子を探索した。その結果,マイクロアレイで発現量に差があった遺伝子87個を抽出した。現在、この87個の遺伝子について、Whole-mount in situ hybridizationによりマウス胚における発現様式を観察している。
|