2004 Fiscal Year Annual Research Report
ホヤ中枢神経系における細胞の発生運命決定と細胞分化の分子機構
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16770166
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
日下部 岳広 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 助教授 (40280862)
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Keywords | ニューロン / ホヤ / 神経特異的遺伝子 / 細胞分化 / 脳・神経 / ゲノム / 細胞系譜 / 感覚器官 |
Research Abstract |
1.ホヤ神経系の細胞系譜の解明:ホヤ胚の大部分の細胞系譜は詳細に解明されているが、その例外は神経系であった。DiIによる細胞の標識、細胞特異的プロモーターによる蛍光タンパク質の発現、特異的遺伝子マーカーの発現、特異的抗体による染色を組み合わせて中枢神経系の細胞系譜を解析した。脳胞に存在する細胞のうち、色素細胞や眼点視細胞と、コリン作動性ニューロンやGABA作動性ニューロンの起源が異なることが示唆された。 2.ホヤ中枢神経系特異的の遺伝子の体系的同定:細胞特異的に発現する遺伝子を新たにみいだすことを目的として、特定の神経細胞でのみ発現する遺伝子のプロモーターを用いて蛍光タンパク質を発現させ、蛍光標識された細胞を単離することを試みた。適当なプロテアーゼなどで処理することにより、生細胞を乖離同定することが可能になった。 3.細胞特異的遺伝子発現に関わるシス調節配列と転写因子の同定と機能解析:視細胞、コリン作動生ニューロン、GABA作動性ニューロン、GABA作動性ニューロンの各々に特異的な遺伝子近傍のゲノム領域をレポーター遺伝子に連結した融合遺伝子をエレクトロポレーション法によりホヤ胚に導入することにより、発現調節領域の機能解析を行い、細胞特異的発現に必要なシス領域を同定した。中枢神経系の発生過程で発現する転写因子のいくつかについて、アンチセンス・モルフォリノオリゴの顕微注入実験により、機能解析を行い、特にOtxの機能と神経系の細胞分化との関わりを示唆する結果が得られた。
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