2004 Fiscal Year Annual Research Report
Oct‐3/4およびRex‐1遺伝子発現を指標とした成体多能性幹細胞の局在観察
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16770177
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
豊岡 やよい 独立行政法人理化学研究所, 多能性幹細胞研究チーム, 研究員 (20360597)
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Keywords | ES細胞 / Oct-3 / 4 / Rex-1 / 成体多能性幹細胞 / MAPC |
Research Abstract |
マウス成体内に多能性幹細胞が常に一定量存在するのか、あるいは多能性幹細胞は通常状態では存在せず、MAPC細胞の例のように培養下の人工的な条件でのみ出現するのか否かを決定する為、未分化幹細胞の指標遺伝子の一つであるOct-3/4を発現する細胞の成体組織における局在を観察した。具体的にはOct-3/4遺伝子の遺伝子座に蛍光蛋白質であるGFP(Green Fluorescent Protein)遺伝子を組み換え挿入(ノックイン)したES細胞株からOct-3/4の発現をGFPの蛍光でレポーティング出来るOct-3/4-GFPマウスを作成し、ノックインマウスの骨髄及び肝臓、脾臓等主要な臓器細胞中にGFP陽性細胞の存在の有無をFACS解析により観察した。結果としては、精巣を除くいずれの臓器中にもGFP陽性細胞は存在せず、Oct-3/4陽性細胞は成体組織においては生殖巣以外には存在しないということが示唆された。 しかしながら、上記のOct-3/4-GFPマウスの細胞におけるGFPの蛍光強度は非常に低く、そのために微量にOct-3/4を発現する細胞の観察が困難になっているという可能性も十分考えられた。現在もう一つの未分化細胞マーカーであるRex-1遺伝子座へGFPをノックインしたRex-1発現解析用のマウス系統を樹立中であり、それらを材料として成体組織内における未分化幹細胞の存在の有無をFACSにより再度検討する予定である。Rex-1-GFP細胞はOct-3/4-GFP ES細胞よりはるかに強い蛍光性を示すことから、Rex-1-GFPマウスにおいては微弱な発現であっても検出可能になるのではないかと期待している。
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