2005 Fiscal Year Annual Research Report
交通車両内における高齢者や障害者の機能性に配慮した設備のあり方に関する研究
Project/Area Number |
16770188
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
西岡 基夫 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 助手 (90347500)
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Keywords | 鉄道車両設備 / 人間工学 / バリアフリー / ユニバーサルデザイン / インテリアデザイン |
Research Abstract |
昨年度行った調査研究をベースとし、さらに分析を進めた。特に今年度は手すりの利用実態に着目し、手すり利用時の動作・姿勢についての分析を行った。昨年度、手すりと吊り輪の間で利用時の身体の動きに特徴が見られたことを報告したが、今年度は手すり利用時の各身体部位の状態や把持状態、荷物保持の有無などを経時変化や性差・年齢差から細かく検討を行った。調査対象が大都市圏内の路線であったこともあり、利用時間は比較的短かったが、利用姿勢などでいくつかのパターンがあることが明らかになった。利用者の大半は上腕と前腕を屈曲させて利用する傾向があり、把持する手は利き手の影響を受けないことなども明らかになった。また、対象とした2路線で握り高さに違いが見られた。さらに体幹と上肢の開き角度も路線間で違いが見られた。手すりを握って身体を保持する際の車両走行時の揺れや加速・減速の状況の違いが2路線間の違いに影響していると考えられ、さらに検討を進める必要がある。 これらの結果をふまえ、手すり利用の快適性と安全性に関する条件を見出すために実験室にて車両内のモックを作成し、手すり利用時の身体メカニズムを把握する実験を行った。まず、初段として若年層の被験者約30名を対象に静的条件下での利用実態を把握した。その結果、座席前に立って手すりを利用した場合とドア付近などの広いスペースでの利用時では、手すりと身体の位置関係や利用時の姿勢などが異なる傾向が見られた。また、握り高さの上下限値と肘関節角度にも関連が見られた。今後、これらの結果と実態調査データとの比較を行う必要がある。また、静的条件下から快適な利用条件の評価を行ったが、「快適な」手すりの利用と「安全な姿勢を保持する」手すり利用の両立を考慮した利用条件を検討するに当たり、静的条件下だけでなく動的条件下での利用状態を心理的・生理的に把握する必要があることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)