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2005 Fiscal Year Annual Research Report

水稲穎果の炭水化物受け入れ能力からみた、高気温下における登熟阻害要因の解明

Research Project

Project/Area Number 16780007
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

塚口 直史  新潟大学, 自然科学系, 助手 (40345492)

Keywords水稲 / 外観品質 / 高温 / 登熟 / 非構造性炭水化物
Research Abstract

本研究は高温による穎果の炭水化物受け入れ能力の早期減退について、登熟期前半の同化産物供給量の観点から量的に明らかにすることを目的として行った。得られた主な結果は以下の通りである。
1.登熟期前半の穎果あたりの同化産物供給量と玄米千粒重あるいは外観品質との間に正の関係が認められた。またその関係は登熟期の気温によって異なり、高温下では同化産物供給量が同一でも玄米千粒重および外観品質が低いことがわかった。登熟期後半に茎中に非構造性炭水化物の再蓄積が認められ、登熟期前半の同化産物供給量がその後の穎果の炭水化物受け入れ能力を支配し、高温下では穎果の正常な成長のために必要な同化産物量が大きいことが示唆された。
2.強勢穎果のでんぷん蓄積速度が高まる時期は高温によって変化しなかったのに対し、弱勢穎果のでんぷん蓄積速度が高まる時期は高温下で早まった。したがって穎果の正常な成長のために必要な登熟期前半の同化産物量が高温下で大きいのは、弱勢穎果の登熟開始が早まることにあると考えられた。また、高温下において弱勢穎果の登熟開始が早まる傾向に対する、稲体のシンク・ソースバランスの影響は認められなかった。
3.登熟期前半の穎果への同化産物供給量に大きく寄与する茎への非構造性炭水化物蓄積に対する出穂期以前の高温の影響について調査した。その結果出穂期以前の茎への非構造性炭水化物の蓄積は高温の影響を直接受けないことがわかり、窒素吸収量が大きくなることの間接的な影響であることが示唆された。
以上のことから高温下では弱勢穎果の登熟開始が早まるため、穎果の正常な成長に多くの同化産物量を要し、その結果登熟期前半の穎果への同化産物供給が不足しやすくなり、玄米収量・品質の低下に結びつくことが示唆された。登熟期前半の穎果への同化産物供給に大きく貢献する茎の非構造性炭水化物蓄積に対して気温は直接的に影響しないことがわかった。

  • Research Products

    (4 results)

All 2006 2005

All Journal Article (4 results)

  • [Journal Article] コシヒカリの稈・葉鞘の非構造性炭水化物(NSC)の動熊と穂重増加および品質の関係2006

    • Author(s)
      山口泰弘
    • Journal Title

      北陸作物学会報 41(印刷中)

  • [Journal Article] Higher stability in leaf water status in heat-tolerant cultivars of snap bean (Phaseolus vulgaris L.).2006

    • Author(s)
      Tadashi Tsukaguchi
    • Journal Title

      新潟大学農学部研究報告 59

      Pages: 1-6

  • [Journal Article] Greater water uptake and transpiration ability in heat tolerant snap bean cultivar.2005

    • Author(s)
      Tadashi Tsukaguchi
    • Journal Title

      Plant Production Science 8

      Pages: 375-382

  • [Journal Article] 高温が強勢および弱勢穎花の登熟に及ぼす影響2005

    • Author(s)
      飯田雄亮
    • Journal Title

      日本作物学会紀事 74(別2)

      Pages: 332-333

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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