2004 Fiscal Year Annual Research Report
衛星リモートセンシングを利用した農村環境における景域構造の広域的把握に関する研究
Project/Area Number |
16780017
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
美濃 伸之 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 助教授 (00336835)
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Keywords | リモートセンシング / 水田 / 耕作放棄 / 中山間地域 |
Research Abstract |
本研究では、中山間地域における小規模水田利用の変化をモニタリングするために、高い空間解像度のIKONOSデータを基盤にLandsatTM/SPOT HRVIRデータの中間赤外域バンドを併用したアプローチについて検討した。(1)赤と近赤外の比を正規化した指数NDVI、および(2)赤と中間赤外の比を正規化した指数、の2つが大きく増大した領域(共にその差が0.25以上)を水田利用状況の変化と定義し、衛星データセットから抽出した。また、このような大きな変化を抽出するだけでは、一定頻度で管理を行っていることで植生量が少なくなっている耕作放棄水田や放棄されて間もない水田が抽出できないことが危惧される。そこで、新たな水田利用の変化がすでに放棄された水田に隣接した領域で起こりやすい傾向を考慮に入れて、前述の2つの指数の変化が0.25以上の領域から20mの範囲内は、2つの指数が0.1以上変化していれば水田利用の変化とみなすこととした。解析結果と現地調査データとの一致状況を見ると、おおよそ8割程度の一致率を達成した。これらのことより、IKONOSにSPOT HRVIRの中間赤外データを組み合わせ、かつ近接性に基づき閾値を調整するアプローチが小規模水田利用の変化を捉えるのに有効であることが示された。一方、地上調査では、不作付け水田あるいは耕作放棄水田であるにもかかわらず、衛星データ解析でそれらが探知できていない領域が散見されたが、それには大きく分けて2つのタイプがあった。1つ目は、1987年の衛星データ上ですでに草地に似通った分光反射特性を示している領域であり、これらは解析に用いた衛星データ観測の1987年以前に耕作放棄された水田であると考えられる。また、もう一方は平野部を中心とする地域に分布する草刈り等の管理が行われている不作付田であった。
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Research Products
(1 results)