2005 Fiscal Year Annual Research Report
近隣コミュニティの緑化活動および支援制度による規範的緑地計画に関する研究
Project/Area Number |
16780018
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
赤澤 宏樹 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 講師 (30301807)
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Keywords | コミュニティー・ガーデン / 住民参加 / 近隣コミュニティ / 規範的緑地計画 |
Research Abstract |
本年度はまず,前年度に収集したニューヨーク市およびアメリカ・コミュニティ・ガーデン協会のコミュニティ・ガーデン運営のガイドラインの解析を進めた。その結果,良好なマネジメントのための「規範」に加え,多様な社会とのつながりの構築がコミュニティ・ガーデンのみならず地域運営に寄与していることがわかった。具体には,銀行との資金提供⇔経済開発といった地域経営の関係,アーティストや学校,ユースセンターとの労働力提供⇔やりがい・学習プログラム提供といった相互補完の関係,警察,教会,病院とのプログラム提供⇔プログラム提供の活動連携の関係,障害者,退職者福祉センターとの労働力提供⇔コミュニティの結合といった多様なコミュニティ形成の関係である。ここから,規範的緑地計画を構成するためには,それを構成する社会のつながりを仲介する空間の存在とコミュニティ・デベロップメントが必要であると言える。 次に,上記の説が最も顕著に表れている複合型コミュニティ・ガーデンを,支援組織へのヒアリングから抽出し,現地踏査を行った。結果,コミュニティ・ガーデンの複合対象として,(1)公園,(2)民間開発住宅,(3)学校の3パターンが確認された。それぞれのパターンでは,上記の社会とのつながりを構築するとともに,(1)公園の運営ならびにイベントプログラムの運営,(2)新規住宅のコミュニティ開発と環境整備,(3)児童への環境学習プログラムの提供といった,場所固有の役割を担うことによって存在価値を発信していることがわかった。このことから,規範的緑地計画の対象空間には,公園とコミュニティ・ガーデンのみならず,学校敷地や集合住宅のオープンスペースなども組み込み,場所とマネジメント手法を相互補完させることが必要であることがわかった。
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