2005 Fiscal Year Annual Research Report
トマト果実の成熟における正常型及び変異型転写制御蛋白質に関する機能解析
Project/Area Number |
16780025
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Research Institution | National Food Research Institute |
Principal Investigator |
伊藤 康博 独立行政法人食品総合研究所, 生物機能開発部, 主任研究官 (90353987)
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Keywords | トマト / 成熟 / 日持ち / 転写因子 |
Research Abstract |
果実の成熟抑制に関わる転写因子LeMADS-RIN遺伝子座において、突然変異遺伝子rinをヘテロに持つトマトは高日持ち性を示す。この系統の果実及び遺伝子に関する種々の情報を検討した結果、正常型遺伝子が成熟促進機能を持つのに対し、変異遺伝子は正常型タンパク質の機能を阻害するのではないか、という仮説を我々は着想するに至り、その検証を行っている。17年度は変異型rin遺伝子の機能を検討するために、正常型植物において変異遺伝子を発現する組換え体を育成した。16年度にも同様に変異遺伝子を導入した組換えトマトを育成したが、組換え遺伝子の発現をノーザンブロットで確認したところいずれの系統もその発現量は極めて低く、また明確な表現型を示す組換え体は得られなかった。そこで、17年度はLeMADS-RIN遺伝子が果実特異的に発現することを利用し、そのプロモーターを使って遺伝子を発現させることにした。本配列はデータベース未登録であったため、約2.1kbのDNA断片をinverse PCR法により新規にクローニングした。このDNA断片の下流にrin遺伝子に結合させた組換え用ベクターを構築し、アグロ法により組換え植物を育成した。植物体は順調に生育しているところで、早い系統では果実が着色し始めている。その中に着色が若干抑えられている果実を着生する系統があり、変異型遺伝子が成熟を部分的に抑制する機能を持つことを示唆する結果が得られている。今後、組換え体の遺伝子発現と表現型を詳細に解析し、現在得られている結果の再現性を確認することにより、仮説の妥当性を示す予定である。
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Research Products
(2 results)