2005 Fiscal Year Annual Research Report
病害ストレス応答プロモーターにおけるシス因子の同定と分子育種への利用に関する研究
Project/Area Number |
16780030
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
鳴坂 義弘 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (20335459)
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Keywords | プロモーター / シス因子 / マイクロアレイ / シグナル伝達 / サリチル酸経路 / エチレン経路 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
1.病害ストレスに応答するシス因子の同定...得られた十数個の病原菌接種により高発現するプロモーター(patatin related protein ; AtPLA IIA、auxin repressed protein、glutathione S-transferase、cytochrome P450、PR4、PR1のプロモーターなど)にレポーター遺伝子(GUS)を融合して導入した形質転換植物へ、サリチル酸経路を活性化する処理(5mMサリチル酸、300μM BTH)または、1mMエチレンもしくは100μMジャスモン酸経路を活性化する処理(エテフォン、メチルジャスモン酸)を行い、プロモーター活性を測定した。以上により、個々の遺伝子を活性化するシグナル伝達経路を明らかにした。特に、sigA binding proteinをコードする遺伝子は、サリチル酸処理後速やかに発現が上昇し、PR1遺伝子よりも迅速な応答を示した。一方で、cytochrome P450遺伝子はサリチル酸およびエチレン/ジャスモン酸処理の両方に応答した。また、AtPLAII A遺伝子のプロモーター領域のdeletion解析を行ったところ、活性領域にGCC-boxの存在が認められた。 2.病害ストレス抵抗性植物の評価...前述の病原菌接種により高発現する遺伝子であるAtPLA IIAの開始コドンより上流約1.5kbpをクローニングし、この下流にpad3遺伝子を融合して導入した形質転換値物を作製した。上記コンストラクトをpad3変異体に導入したところ、Alternaria brassicicolaに耐性を示した。本ストラテジーにより、病害抵抗性育種が可能であることが立証された。
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Research Products
(2 results)