2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16780036
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
園田 昌司 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (00325127)
|
Keywords | 殺虫剤抵抗性 / 合成ピレスロイド / ナトリウムチャネル / オルタナティヴ・スプライシング / GST / コナガ |
Research Abstract |
これまでコナガの合成ピレスロイド剤抵抗性にはナトリウムチャネルのアミノ酸変異による感受性の低下が関与していることを明らかにしてきた。本年度の解析により、抵抗性に関わる最も重要なアミノ酸変異はナトリウムチャネルのドメインIIS4-IIS6に存在するが、その領域は2つのオルタナティヴ・エキソン(18aおよび18b)によってコードされていることが明らかとなった。エキソン18aとエキソン18bの相同性は塩基配列およびアミノ酸レベルでそれぞれ79%、91%であった。両エキソンとも合成ピレスロイド剤抵抗性に関わるアミノ酸置換部位(T929I)を含んでいた。抵抗性系統ではエキソン18aには感受性型のスレオニンが、エキソン18bには抵抗性型のイソロイシンがコードされていた。一方、感受性系統にはエキソン18a、エキソン18bともにスレオニンがコードされていた。エキソン18aは全ての発育ステージにおいて恒常的に発現していた。エキソン18bの発現も全てのステージで認められたが、3齢および4齢幼虫における発現レベルは低かった。また、4齢幼虫および成虫におけるエキソン18bの発現レベルは胴体部よりも頭部において高かった。以上の結果より、オルタナティヴ・スプライシングは合成ピレスロイド剤に対する感受性の異なるナトリウムチャネルを組織特異的に生み出している可能性が示唆された。 また、昨年度報告したコナガのクロルフルアズロン抵抗性に関わるGST-E遺伝子とは別のGST遺伝子(GST-S)を新たにクローニングし、全塩基配列を決定した。さらに、ノーザン解析を行い、発現解析を行った。その結果、GSTS遺伝子はクロルフルアズロン抵抗性には関与していないことが明らかとなった。
|