2004 Fiscal Year Annual Research Report
モディファイアー結合機構を介したバキュロウイルス感染成立のメカニズム
Project/Area Number |
16780041
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
今井 典子 独立行政法人理化学研究所, 松本分子昆虫学研究室, 協力研究員 (80333334)
|
Keywords | バキュロウイルス / カイコ核多角体病ウイルス / ユビキチン / ユビキチンリガーゼ / RINGフィンガータンパク質 / モディファイアー / IE2 |
Research Abstract |
モディファイアー結合機構は、タンパク質の分解、輸送、機能変換などを通して生体内の様々なイベントに関わっており、重要な役割を担っていることが知られている。本研究は、ウイルス感染機構の解明を目指し、モディファイアー結合機構に関わるバキュロウイルスの遺伝子を同定し、その機能がどのようにウイルス感染に関わるのかを調べることを目的として行われた。 BmNPV IE2はRING型のユビキチンリガーゼE3として機能する事が分かっている。また、感染細胞の核内でPMLボディ(ND10)様の局在を示す事も明らかとなっている。これまでに、IE2のRING領域変異体(IE2C243S)のトランスフェクションによる単独発現実験や、プロテアソーム阻害剤を用いた実験などから、IE2の局在が自身のE3活性に制御される事を確認している。今回、IE2C243Sを発現する変異ウイルスBm127CSを作製しカイコ細胞系BmNに感染させたところ、トランスフェクション時と同様、PMLボディ様の局在領域が肥大化する事が明らかになった。この欠損ウイルスの増殖能を調べたところ、出芽ウイルスの産生には特に影響が見られなかった。現在ゲノム複製への影響について解析中である。また、感染後2時間のBmN細胞由来のcDNAライブラリーを用い、酵母2ハイブリッド法によってIE2と相互作用する因子をスクリーニングしたところ、宿主由来のPNUTSホモログが得られた。既知遺伝子との配列比較およびノーザン解析から、2ハイブリッドによって得られたクローンは全長をカバーしていないと推測されたので、5'RACEによって全長をクローニングした。現在、大腸菌の系を用いて発現を行っており、今後IE2との相互作用解析やユビキチン化アッセイを行う予定である。
|