2004 Fiscal Year Annual Research Report
non-LTR型レトロトランスポゾンR1Bmの標的部位認識機構の解明
Project/Area Number |
16780042
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
藤本 浩文 国立感染症研究所, 放射能管理室, 研究官 (60373396)
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Keywords | トレロトランスポゾンR1Bm / human AP endonuclease (hAP1) / 分子動力学的(MD)シミュレーション / AMBER 7 |
Research Abstract |
カイコrRNA遺伝子配列に部位特異的に挿入することが確認されているnon-LTR型レトロトランスポゾンR1BmのORF2には、human AP endonuclease 1(hAP1)に相同なドメインをもつタンパク質がコードされており、このドメイン中の42アミノ酸残基が特定のDNA配列認識に必須であることが報告されている.本研究はR1Bmタンパク質がどのように標的配列を認識するのかを、計算化学的手法を利用して解明することを目的としている. シミュレーションに必要な分子を含む系の規模は、標的部位前後の配列を含むDNA分子だけでも50,000原子を超え、これらに対して分子動力学的(MD)シミュレーションを行うためには高速の並列計算機が必須である.そこで、これを可能にするクラスターPCを導入し、AMBER7等、シミュレーションに必要なソフトウエアのインストールを行った.本来AMBER7は小〜中規模シミュレーションを目的に設計されており、大規模シミュレーションを可能にするためにはコードの一部変更等、ソフトウエアの調整を行う必要があった.調整後のソフトウエアが期待通りに動作するかどうかを確認するために、hAP1に認識される塩基脱落部位(AP site ; apurinic/apyrimidinic site)および、8-oxoguanineの2種類の酸化損傷を含む40 merのDNA分子を、2種類の損傷間の距離を変えて設計し、1,000ps後に分子構造や静電エネルギー状態が2損傷間の距離に応じてどのように変化するかを調査した.得られた結果は論文にまとめ、Journal of Computational Chemistryに投稿した(印刷中).現在、導入・調整したシステムを用い、タンパク質データベースからダウンロードしたhAP1のendonucleaseと相同なドメインを持つタンパク質の結晶構造データと、R1Bmの標的配列を含むDNA分子とを組み合わせたシミュレーションの系を設計中である.
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Research Products
(1 results)