2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16780045
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 美智子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90345182)
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Keywords | ニコチアナミン / 生殖成長 / 無機栄養 / ムギネ酸 / ニコチアナミン合成酵素 / 環境ストレス / アラビドプシス / イネ |
Research Abstract |
1)双子葉植物とイネ科植物の生殖成長・胚の発達過程におけるニコチアナミン合成酵素遺伝子の発現の局在を調べるため、イネとシロイヌナズナのニコチアナミン合成酵素遺伝子のプロモーター領域とβ-グルクロニターゼ(GUS)を連結したコンストラクトを導入した植物を用いて顕微鏡観察を行った。その結果、ニコチアナミン合成酵素遺伝子はイネとシロイヌナズナの両方で花の形成過程や種子の成熟過程において発現しており、ニコチアナミンが生殖成長や種子の成熟、胚発生に関与していることが明らかとなった。 2)さまざまなストレスによるニコチアナミン合成酵素遺伝子の発現を調べるため、上記のプロモーターGUS導入シロイヌナズナに金属過剰、金属欠乏ストレスをかけ、観察した。その結果、ニコチアナミン合成酵素が鉄欠乏や亜鉛欠乏ストレス、鉄過剰やニッケル過剰ストレスに関係していることが明らかになった。 3)ニコチアナミン合成酵素を過剰発現するシロイヌナズナ・タバコの作成し、金属過剰、金属欠乏ストレスに対する耐性を検定した結果、形質転換植物はニッケル過剰に顕著な耐性を示した。 1)-3)の結果は国際学会や国内の学会において発表した。 4)ニコチアナミンと金属の複合体を通すトランスポーター(OsYSL2)の生殖成長段階と種子成熟過程における遺伝子発現を観察した結果、この遺伝子が生殖成長段階と種子成熟過程において発現していることがわかり、ニコチアナミンがこの時期に重要であることがさらに裏付けられた。この結果は以下に記した科学雑誌において発表した。
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Research Products
(5 results)